センゴク権兵衛
こんばんは。歴史漫画が好きなポンコツサラリーマンの土星です。
連載当初(学生時代)から読んでいた本書が遂に完結してしまった。
実際の史実に基づいて書かれている漫画で、
物語の展開のテンポもいいので、面白く、
ハマって20年弱ずっと読んでいたので、
遂に完結した!という感動と、終わってしまったという寂しがあり、
何とも言えない感じがあります。
こんな人におすすめ
・歴史(特に戦国時代)が好きな方
・歴史を学びたい方
・生き方に迷っている方
本書の概要/あらすじ
本作の主人公は仙石権兵衛秀久という戸次川の戦いでの大敗などから
世間一般では余り好意的な評価を受けてこなかった武将です。
仙石が生きてきた戦国時代は人の命なんて石ころ同然だった。
そんな時代に何があっても生きる気概を持ち、
無様でも人に何を言われようと生きていく姿に胸打たれます。
本書は戦国史上最も失敗し挽回した男として、センゴク(15巻)→
センゴク天正記(15巻)→センゴク一統記(15巻)→センゴク権兵衛(27巻)と
4部作で描かれています。
●センゴク
美濃を征服した織田信長に見出され、
その家臣であった木下藤吉郎(豊臣秀吉)の寄騎となるところから、話が始まります。
破竹の勢いで勢力を広げる織田信長に危機感を抱いた諸大名が
信長包囲網を敷いた中、権兵衛が数々の死闘を潜り抜けていきます。
稲葉山城の戦いから始まり、金ヶ崎の退き口、姉川の戦い、
比叡山焼き討ち、三方ヶ原の戦い、一乗谷城の戦い、小谷城の戦いによる
浅井家の滅亡までが描かれています。
●センゴク天正記
小谷城攻略の功績により大名に取り立てられた秀吉と共に権兵衛も
領主となり、家臣を持つ立場となります。
一指揮官としての成長を迫られながら、果てしない信長包囲網を戦い抜いていきます。
長島一向一揆、長篠の戦い、雑賀攻め、手取川の戦い、中国攻め、甲州征伐による武田家滅亡までが描かれています。
●センゴク一統記
中国遠征を続ける秀吉の備中攻めより話が始まる。
天下統一を目前とした織田家が本能寺の変から息子、家臣の派閥争いにより
衰退の一途を辿ってしまいます。
一つの時代が終わりを迎え、新たなる時代の始まりを迎えていきます。
高松城水攻め、本能寺の変、中国大返し、山崎の戦い、清洲会議、
賤ヶ岳の戦い、小牧・長久手の戦いまでを描かれています。
●センゴク権兵衛
九州地方の話から始まり、沖田畷の戦いにより龍造寺の衰退、島津家は九州統一寸前まで迫る中、遂に淡路国の国持大名となった権兵衛は長宗我部の抑えとして役割や改易、そして挽回まで描かれています。
根来・雑賀攻めの紀州攻め、四国攻め、耳川の戦い、権兵衛を悪い意味で有名にした戸次川の戦い、小田原攻め、秀吉薨去、関ケ原~大阪城攻め、そして、その太平になったその後が描かれています。
本書の感想
キングダムなどの歴史漫画も面白いが、
濃厚な日本の舞台にした歴史漫画もまた違った歴史観で面白い。
特に本書は丹念な歴史研究に基づいて戦国時代の通説・俗説を
覆す仮説を記載されており、
時代考証による歴史描写されています。
登場する人物も仙石権兵衛同様にややマイナーな武将が登場し、
展開の鍵を握る人物として描かれていることもあり、
歴史好きにはたまらない作品です。
史上最も失敗し挽回した仙石権兵衛は、人から人へ繋がれし縁に導かれ、
約140年間続いた戦乱という1つの時代の終焉へとたどり着きます。
激動の時代を必死に生き抜いた仙石が最後に見る景色とは。
最終的にたどり着く境地はある種の悟りで、
ひたむきに働くサラリーマンや
がむしゃらに生きている現代人に刺さると思います。
20年弱続いた全72巻という大作を是非読んでみて下さい。
総合評価
総合評価(100点満点中 90点)
※個人の主観です
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